
皆さんは、ロボットアドバイザーってご存知でしょうか?

ロボアド?聞いた事はあるけど。

ロボットが投資するんでしょ?
ロボットアドバイザーと言っても、今までなかったものですから、よく分からないですよね。
私もどんなものだろうと、2018年の1月から実際に投資を始めてみました。
今回は、ロボットアドバイザー、ウェルスナビの特徴とメリットやデメリット、そして実際の運用結果をご紹介します。

ウェルスナビ、やってみました!
ウェルスナビって何?
まずは、どういうものなのか、ウェルスナビの公式サイトを見てみましょう。
ウェルスナビの特徴
公式サイトなどを見ると、「全自動で世界レベルの資産運用」というのが、まず目に入りますね。
世界レベルの資産運用って何の事でしょう?
「ウェルスナビとは」のページを開くと、
世界水準の金融アルゴリズムは、これまで一部の富裕層や機関投資家など、特別な層だけのものでした。
テクノロジーの力で、誰もが世界水準の資産運用をできるようにしたのが、ロボアドバイザー 「ウェルスナビ」とあります。
ノーベル賞受賞の理論をベースとした世界水準のアルゴリズムで資産運用について、pdfファイルが公開されているので、読んでみましょう。
ふむふむ、難しそうですね…。

よく分からん。
ウェルスナビの概要をまとめてみましょう。

ウェルスナビの概要は、以下の通りです。
- 年齢や年収などを基に、個人に応じたリスク許容度を設定。
- 投資対象は、米国株などの海外上場のETF(インデックス運用)。
- リスク許容度に応じたポートフォリオを形成する(5段階)。
- 半年ごとに自動でリバランス。
- 一度設定すれば、毎月の自動積立も可能。
- 米ドル建てで資産を運用。
順に説明してみましょう。
年齢や年収などを基に、個人に応じたリスク許容度を設定。
ウェルスナビの公式サイトでは、年齢や年収など6つのアンケートに答えるだけで、自分のリスク許容度を診断する事ができます。
アンケートの内容は、以下の6点です。
- 年齢 (例:20代など)
- 年収 (例:300万未満など)
- 保有する金融資産の総額 (例:500万未満など)
- 毎月の積立額 (例:なし~10万円)
- 資産運用の目的 (例:余裕資金や退職金を運用など)
- 株価が1ヶ月で20%下落したら、どうするか?(例:何もしない、一部売却する、追加投資など)
以上のアンケートに順番に答えていきます。
アンケートに答えていくと、以下のような画面が提示されます。

私の場合は、40代でリスク許容度は、5段階のうちの3でした。
このまま、私がウェルスナビの運用を始めると、リスク許容度3で運用されるようです。
無料診断は、無料で受ける事ができます。
ご自身のリスク許容度を調べてみましょう。

無料診断は、無料で受けれるんだね。
投資対象は、米国株などの海外上場のETF
ウェルスナビで運用する投資対象は以下の通りです。
- 米国株式(VTI、バンガード)
- 日欧株式 (VEA、バンガード)
- 新興国株式 (VWO、バンガード)
- 米国債(AGG、ブラックロック)
- 物価連動債(TIP、ブラックロック)
- 金 (GLD、SPDR)
- 不動産 (IYR、ブラックロック)
VTIやVWOは、楽天から投資信託でも販売されていますね。
どれも信託報酬が安く資産総額が大きい海外で上場されているETFです。
ウェルスナビでは、これらの資産を、各自のリスク許容度に応じて、資産配分します。

ウェルスナビは、厳選されたETFで運用されているのね。
リスク許容度に応じたポートフォリオを形成する。
ウェルスナビでは、無料診断のアンケートを基に、5段階のポートフォリオの中から、各人の目的に応じたポートフォリオを選択し、運用します。
各ポートフォリオの資産配分は以下の通りです。


リスク許容度が高くなるにつれて、株式の配分率が高くなるんだね。
半年ごとに自動でリバランス。
運用を続けていくと、 米国株(VTI)が値上がりし、米国債(AGG)が値下がりするなど、当初設定したポートフォリオのバランスが崩れていきます。
そういった場合に、値上がりした資産を売却して、利益を確定した上で、値下がりした資産を買い足し、当初設定したポートフォリオの割合に戻す事をリバランスと言います。
ウェルスナビでは、リスク許容度に応じて、半年ごとに自動的にリバランスが行われます。

なるほど、値上がりした資産を売却して、値下がりした資産を買い足す訳か。

リバランスは、半年ごとに自動的に行われるのね。
一度設定すれば、毎月の自動積立も可能。
ウェルスナビでは、毎月1万円からの自動積立が可能です。
ドルコスト平均法による積立投資を行う事で、資産の分散だけでなく、購入時期をずらす、時間の分散を行う事ができます。
また追加投資の度に、ポートフォリオの配分比率が最適なものに近づくため、より効率的な運用が期待できることとなります。

なるほど、積立をしながら資産を増やしていくのか。

時間の分散を活用するのね。
米ドル建てで資産を運用。
ウェルスナビでは、米国で上場されている資産で運用するため、運用は米ドル建てで行われます。
分配金も米ドルで支払われますし、分配金の再投資も、そのまま米ドルで行われます。
リバランス時の売却や購入も全て米ドルで行われます。

米国で上場されているETFを米ドルで運用するんだね。
ウェルスナビのメリット
続いて、ウェルスナビのメリットを考えてみましょう。
私が感じたウェルスナビのメリットは、以下の通りです。
- 一度設定をすれば、後は全自動でOK!
- 資産運用のシュミレーションができる。
- 資産の取引履歴が明確である。
- 途中でリスク許容度の変更が可能。
メリットも順に考えていきましょう。
一度設定をすれば、後は全自動でOK!

上記の画像は、ウェルスナビの公式サイトから引用した画像ですが、画像下段にあるように、従来の資産運用では、全ての手続きや取引は自分で行わなければなりませんでした。
それが、ウェルスナビの場合は、一度設定しまえば、後は全て自動で行ってくれます。
これらを全て行ってくれるという事は、すなわち、時間の節約になります。

資産運用をしたいけど、忙しくて時間がないという人には、ピッタリだね。
資産運用のシュミレーションができる。
ウェルスナビの初期設定画面や運用開始後のページでナビゲーションをクリックし、詳細設定を変更する事で、何年後に何%の確率で、何万円になりますなどの将来予想を見る事ができます。

詳細設定では、目標金額や積立額など、以下の内容を変更する事ができます。

詳細設定の各項目を設定すると、将来予想としてのシュミレーションを見る事ができます。


なるほど、これは便利だなぁ。

将来の目標金額を決めて、そのためにいくら積立をすれば可能かが、具体的に分かるのはいいわね。

ただし、まったく予想通りに行く訳ではないので、
その点はご注意ください。
資産の取引履歴が明確である。
これは、ウェルスナビの運用を実際に始めてみて分かったのですが、マイページの取引履歴を確認する事で、毎月の分配金が、どの資産から、いくら入ったのか、また手数料がいくら引かれたのかが明確に分かります。


以下のように、分配金がいくら入ったのか、
手数料をいくら引かれたのかが明確に分かります。

手数料は、現時点の資産総額の1%を12分割した金額(約0.083%)が毎月引かれていきます。
私の場合は、115,000円を投資したので、大体100円前後が毎月引かれていました。
一般的な投資信託では、年に一回運用報告書で確認するだけでしたが、こうして毎月の取引が確認できるのは、透明性を感じる事ができて良いですね。
ウェルスナビは、リスク許容度の変更が可能。
私自身が感じた一番のメリットは、途中でリスク許容度の変更ができるという事ですね。
一般的なバランスファンドは、途中で資産配分の変更が出来ませんから、その点に関しては、画期的な商品だと思います。
ただし、各資産の細かい配分まではできず、5段階の中から選ぶ形になります。
若い頃は、リスクを高めに設定し、年齢が上がるにしたがって、リスクを落とす設定が可能です。

年齢に応じて資産配分の変更ができるのね。
ウェルスナビのデメリット
ウェルスナビのデメリットについても考えてみましょう。
私が感じたウェルスナビのデメリットは、以下の通りです。
- 信託報酬(手数料)がやや高い。
- NISA口座や積立NISAに対応していない。
- 追加投資や積立の金額がやや高い。
順に説明していきましょう。
ウェルスナビの信託報酬(手数料)は、やや高め。
ウェルスナビの手数料は、信託報酬込みで、資産額の1%となっています。
例えば、10万円を投資した場合は、年間で1,000円の手数料がかかる事になります。
これを信託報酬のみと考えると、投資信託のインデックスファンドの信託報酬は、0.6%以下のものが多いですから、やや割高な感じがしますね。

確かに、少し高い気がするなぁ。
ただし、売買手数料も含めた上で考えると、特定口座で、海外上場のETFを購入した場合、SBI証券などでも、約定代金の0.45% (最低5ドル、税抜)がかかります。
またドル建てで決済する場合は、為替手数料も1ドルあたり25銭がかかりますから、売買にかかる手数料も加えた上で考えると、妥当なラインとも言えます。

売買手数料も含めた上では、妥当なラインなのね。

毎月、積立をしながらのほうが、お得という事かな。
NISA口座や積立NISAに対応していない。
ウェルスナビは、現時点ではNISA口座や積立NISAなどの非課税口座には対応していません。
非課税口座に対応していないという事は、分配金や売却した際の売却益から約20%の税金が引かれる事になります。
長期投資を目的とするなら、ゆくゆくは対応してほしいですね。

NISA口座などの非課税口座には対応していないのね。
ウェルスナビは、追加投資や積立の金額がやや高い。
ウェルスナビの追加投資は、積立が1万円から、一時入金は3万円からとなります。
SBI証券 や 楽天証券 では、投資信託の積立も一時購入も100円からできますから、そう考えると、少し敷居が高い気がしますね。
ただし、ウェルスナビの資産に含まれる米国のETFの一口あたりの基準価額は、およそ以下の通りになります。(2019年4月23日時点)
- VTI(米国株式)約16,400円
- VEA(先進国株式、除く米国)約4,600円
- VWO(新興国株式)約4,800円
- AGG(米国総合債券)約12,000円
- TIP(米国物価連動国債)約12,400円
- GLD(金)約13,300円
- 米国不動産(米国不動産)約9,400円

わー、海外のETFって、結構高いんだなぁ。

ちなみに、これらのETFを一口ずつ購入した場合の合計は、
約73,000円です。

そう考えると、ウェルスナビの追加投資の金額は、
妥当な金額かもしれないわね。
2018年 ウェルスナビの運用報告
それでは、前置きが長くなりましたが、私自身のウェルスナビの運用実績を公開いたします。
申込日は、2018年1月15日、運用開始日は、同年の2月1日です。
リスク強度は、5段階のうちの4です。
初期投資の費用は、申込日に合わせて115,000円です。
どう運用するのかを純粋に試したかったので、積立投資はあえて行っていません。
↓リスク許容度4のポートフォリオは、こんな感じです。(2018年、11月24日現在)

7割以上が株式で運用されるようですから、バランスファンドとしては、確かにかなりリスキーなポートフォリオとなっています。
2月1日 ウェルスナビの運用スタート!


いよいよ、スタートね!
運用開始日の2月1日、やや円高だったからでしょうか、115,009円でのスタートです。
購入した資産の合計は、113,020円です。残りは現金ですね。
いま考えれば、まさに株価が高かった時ですね。
2月8日 107,293円 (-7,707円、-6.7%)
そして、早くもその一週間後の2月8日、米国金利の上昇を要因とした最初の株価下落が来ます。
早くも、マイナス6.7%です。(^_^.)ひゃー!
3月2日 106,226円(-8,774円、-7.63%)
その約1ヵ月後の3月2日に二度目の下落。マイナス7.63%です。
この時期は、ウェルナビとは関係なく、個人的に米国株のETFを買い漁っていましたね。
3月23日 103,575円(-11,425円、-9.93%)
そして3月23日に今年三度目の下落が来ます。ついに一万円以上の損失が出ました!
マイナス9.93%です。ウェルスナビ、大丈夫か( 一一)おいおい!

損失が続くなぁ。
6月21日 113,086円(-1,914円、-1.66%)
その後、6月21日にかけては、緩やかながら驚異の回復を見せます。
逆に一万円近く値を戻していますね。まだ損失を抱えていますが、8.27%の回復です!


緩やかに回復していくんだね。
8月1日 11,317円(-1,827円、-1.59%)リバランス
その後、6月~7月は上がったり、下がったりを繰り返しながら、8月1日に初めてのリバランスを行います。

リバランスの内容を見ると、米国株や不動産を多く売って、日欧株や新興国株を多めに買っています。
ちなみに、ご存知のように、この後、米中の貿易摩擦が過熱し、中国株が下落し、新興国のETFは、長期にわたって低迷していきます。
9月23日 115,176円(+176円、+0.15%)
そして9月23日、ここでようやく176円ですが、プラスに転じます!(^^)!

やっと、プラスになったわね。

その後、NYダウは、10月4日に最高値を記録しますが、喜んだのもつかの間、ここから今年二度目の米国株を中心とした調整局面に入ります。
・10月11日 107,934円(-7,066円、-6.14%)
・10月28日 105,328円(-9,672円、-8.41%)

また損失か。
12月25日 ウェルスナビの暴落! 97,642円(-17,358円、-15.09%)
その後、12月初旬にかけては、回復傾向にありましたが、12月中旬から再び下落に転じ、FRBが今後も政策金利の引き上げを決めた事でクリスマスに急落、一気にマイナス15.9%まで値を下げました


きゃー、怖いわ!

これが投資というものです。
20%位の下落は、いつ起こっても不思議ではありません!
残念ながら、2018年のウェルスナビは、大損失で幕を閉じました。
ちなみに私は、この頃でNISA枠を使い切ってしまい、本来であれば、更に米国株を買い足したかったところです。
2019年 ウェルスナビの運用報告
2019年度のウェルスナビの運用結果を報告します。
2018年のクリスマスに急落し、年始にも若干下がりましたが、その後は加速度的に回復し、2月1日に運用開始から二度目のリバランスが行われました。
2月1日 107,109円(-7,891円、-6.86%)二度目のリバランス

年始から、この時期にかけての米国株の戻りの速さは、すごかったですね。
それに対し、日本株や欧州の戻りは遅く、新興国もやや出遅れた感がありました。
二度目のリバランスの内容

米国債や金を売って、特に日欧株を多めに購入していますね。やはり日欧株の出遅れを感じます。
4月12日 115,173円(+173円、+0.15%)
そして、4月12日、昨年の10月初旬以来、約半年ぶりに運用結果がプラスとなりました。


すごーい!

あれだけ下がっても回復するんだね。

人々の豊かになりたいという希望があれば、
時間がかかっても、いずれ相場は戻ってきます。
2018年は、荒れ相場でしたが、2019年はどのような相場になるでしょうか?
今後も運用結果は、掲載していく予定です。
ウェルスナビの特徴やメリットとデメリットのまとめ
今回は、ウェルスナビの特徴やメリットとデメリット、そして実際にウェルスナビを一年間運用してみた結果についてまとめてみましたが、いかがでしたか?
ウェルスナビがどのような運用をするのか、純粋なチャートとリバランスを知りたかったので、あえて積立は行いませんでした。
本来の私は、外国の指数に連動したETFや投資信託への投資がメインですので、ウェルスナビについては、まったくほったらかしでした。
正直を言えば、ウェルスナビで運用しているETFと同じ指数で、より低コストなETFや投資信託がありますので、それらを組み合わせて運用したほうが、利益は出ると思います。
ただ、忙しくて投資を勉強する時間がない方や丸投げしたい方には、便利なものができたなと思いますね。
あと個人的には、やはりリスク許容度(ポートフォリオ)を年齢に応じて、変更できる事がウェルスナビの最大のメリットだと思います。
- 忙しくて、投資を勉強する時間がない方
- 投資は丸投げしたいという方
- 年齢に応じて、リスク許容度を変更していきたい方
最後に、一つ付け加えるとすれば、やはり下落時だけでも、追加投資をしたほうが、回復がもう少し早かったと思いますね。
あとリバランスは、定石通りで勉強になりました。
ロボアドバイザーは、便利ですし、これからも更に発展していくでしょうね。

わしも積立から始めてみるかなぁ。

私は、目標金額を決めて、やってみたいわ。

僕もやってみたい!

私は、もう少し考えてみたいわ。
投資は色々な考えがあって良いと思います。
これから投資を始める方々の参考になれば幸いです。
リスク許容度の無料診断を受けてみる方は、下記サイトから↓
↓申し込みされる場合は、以下の物も準備しておきましょう。
- 運転免許証などの身分証明書
- マイナンバーカード、もしくは通知カード
- 出金先の銀行の口座番号