7月に入り、ネット証券のマネックス証券、楽天証券、SBI証券の大手三社が相次いで、米国株や海外ETFの最低手数料の値下げを発表しました。
最低手数料って何なの?
米国株や海外ETFを購入する際にかかる最低限の手数料です。これまでは上記三社とも最低手数料は、5米ドルでした。
5米ドルから下がったんだね。
今回は、 マネックス証券、楽天証券、SBI証券の最低手数料の無料化に伴い、米国株や海外ETFを購入する際に、 具体的にどう変わるのか?を考えてみたいと思います。
ネット証券三社が米国株や海外ETFの最低手数料を値下げ
2019年7月から、マネックス証券、楽天証券、SBI証券の三社が、米国株や海外ETFの最低手数料を、どのように値下げしていったか、その流れを見ていきましょう。
マネックス証券が最低手数料を0.1米ドルに値下げ
マネックス証券は、元々米国株への投資に力を入れていたネット型の証券会社です。
そのマネックス証券が、これまで5米ドルだった米国株や海外ETFにかかる最低手数料を0.1米ドルへ値下げすると発表しました。
マネックス証券が今月8日から、米国株の購入にかかる手数料を5ドルから、0.1ドルへ値下げするとのこと。
budo-kaのtwitterから引用
これまで米国株や米国ETFへの投資は、ある程度まとめてでないと、手数料の負担が大きかったが、これからは一株から実質10円程度の手数料から可能になる。
為替手数料も来年2020年1月までは無料。— 武道家@倹約「ETF」投資 (@budo_ka)
まず、マネックス証券が最低手数料を0.1ドルに値下げしたんだね。
そうですね。それもいきなり50分の1へ値下げしましたから、直接米国株や海外ETFへ投資していた方は、驚きましたね。
また同時に、為替手数料も来年2020年1月までは無料にすると発表しました。
楽天証券が最低手数料を0.01米ドルに値下げ
続いて楽天証券が、これまで5米ドルだった米国株や海外ETFにかかる最低手数料を0.01米ドルへ値下げすると発表しました。
楽天証券が米国株式の最低手数料を0.01ドル(1セント)に値下げするとのこと。
budo-kaのtwitterから引用
マネックス証券が大規模な値下げを発表して即ですから、ネット証券業界もまさに戦国時代ですね。
時代の流れに、いかに早く対応できるかが、生き残る術(すべ)なのでしょうか。— 武道家@倹約「ETF」投資 (@budo_ka) 2019年7月6日
今度は、楽天証券が0.01ドルに値下げしたのね。
そうですね。5ドルからでしたら、500分の1ですから、更にビックリですね。
ちなみにマネックス証券の関係者の方も驚いたそうです。
SBI証券が最低手数料を0米ドルに値下げ
最後にSBI証券が、これまで5米ドルだった米国株や海外ETFにかかる最低手数料を0米ドルにすると発表しました。
最低手数料が0ドルという事は、無料になったのか!?
はい。最低手数料は最終的に無料となりました。
SBI証券が、米国株や海外ETFの最低手数料を無料とした事で、最終的にマネックス証券と楽天証券も米国株や海外ETFの最低手数料を無料にすると発表しました。
これからは、米国株や海外ETFへの投資は、手数料が無料になるの?
いえ、手数料が無料になる訳ではありません。
どうして?最低手数料が無料になったんでしょ。
そこが、ややこしいところなので、次項にて詳しく説明していきましょう。
最低手数料が無料でも、約定代金0.45%の手数料がかかる
米国株や海外ETFへの手数料は、2019年7月22日より、以下のようになります。
マネックス証券 | 楽天証券 | SBI証券 | |
最低手数料 | 0米ドル | 0米ドル | 0米ドル |
取引手数料 | 0.45% | 0.45% | 0.45% |
最高手数料 | 20米ドル | 20米ドル | 20米ドル |
(価格は、税抜き)
取引手数料は、0.45%となっているね。
はい。米国株や海外ETFに投資する場合は、約定代金の0.45%の取引手数料がかかります。
なーんだ、じゃあ結局、手数料は無料にはならないんだ。
そうですね。ただ最低手数料の5ドルが撤廃された事は、米国株や海外ETFに投資する方にとっては、かなり大きいと思いますよ。
次項にて、その理由について説明します。
最低手数料が無料となったメリットとは?
今までは、米国株や海外ETFに投資する際には、最低手数料5ドルという縛りがありました。
例えば、日本で人気の高い海外ETFのVTIを例にとって、説明してみましょう。
VTIの現在(2019年7月18日)の株価は、 152.67 ドルです。
約定代金の0.45%の手数料がかかりますから、
152.67 × 0.45% = 0.687ドル という事になります。
VTIを一株買うのに、手数料が 0.687ドル かかるのね。
いえ、最低手数料が5ドルの場合は、5ドルかかります。
えっ!約定代金の0.45%じゃないの?
手数料が5ドルの未満の場合は、一律で5ドルかかります。
手数料が5ドルという事は…?
VTIを一株買ったの場合は、約定代金の3.29%という事になります。
うわー高いのぉ!
そうですね。ですので、今までは手数料負けしないように、VTIの場合でしたら、7~8株をまとめて注文する方が多かった思います。
(VTIを7株買った場合の取引手数料)
152.67 × 7株 × 0.45% =4.81ドル → 5ドル
※ 5ドル未満なので、5ドル
(VTIを8株買った場合の取引手数料)
152.67 × 8株 × 0.45% =5.50ドル
VTIの場合は、8株以上買わないと、手数料で損しちゃうんだね。
そうですね。もう一つの問題は、VTIを8株買うといくらでしょうか?
一株 152.67ドル × 8 だから、1221.36ドルね。
1ドル108円として、日本円にすると、いくらでしょうか?
1ドル108円として、1221.36ドル × 108 = 131,907円。
うわっ、13万円超えちゃうや!
そうですね。今までは、VTIを手数料負けしないように買うためには、13万円強かかっていましたから、投資初心者の方には、ハードルが高かったように思います。
そう考えると、最低手数料を無料化した事で、VTIを一株、0.687ドル の手数料で買えるようになった事は、すごい事なのね。
はい。実際には、SBI証券などでは、NISA口座(積立ではなく、一般NISA)であれば、米国株や海外ETFの買付手数料は無料になります。
すでにつみたてNISAを始めている方の場合は、海外株式の特定口座での取引になりますから、やはり最低手数料が無料になった事は大きいと思います。
投資初心者の方には、一気にハードルが下がったように思います。
米国株や海外ETFの投資におすすめの証券会社は?
budo-ka さん、米国株や海外ETFは、どこの証券会社で始めたらいいの?
特殊な銘柄でなければ、SBI証券がおすすめです。
その理由は?
為替手数料にあります。
海外の株式やETFを購入する際は、取引手数料の他に為替手数料がかかります。
今回、紹介した三社の1ドルあたりの為替手数料は、以下の通りです。
マネックス証券 | 楽天証券 | SBI証券 | |
為替手数料 | 25銭 | 25銭 | 25銭(※) |
為替手数料は、25銭で三社とも同じだよ。
はい。証券会社で直接取引した場合の為替手数料は同じです。
じゃあ、何が違うの?
SBI証券と提携している住信SBI銀行の為替手数料は、1ドルあたり4銭となります。
また、 SBI証券 と 住信SBI銀行間の振替手数料は無料です。
25銭と4銭で、そんなに違うのかしら?
先ほどの例で挙げたVTIで計算してみましょう。
【他社と住信SBI銀行での比較】
VTI 一株 152.67ドル × 25銭 = 38.25円
VTI 一株 152.67ドル × 4銭 = 6.1円
あら、約6倍も違うわ!
これが、将来的に10口、100口と増えていくと、手数料の違いは、更に大きく感じると思いますよ。
100口だと、3,825円と610円かぁ。確かにだいぶ違うよね。
為替手数料は、NISA口座でもかかりますので、為替手数料の安い証券会社を選びましょう!
上記三社の中では、SBI証券 と住信SBI銀行 のコラボがおすすめです。
まとめ
今回は、マネックス証券、楽天証券、SBI証券の最低手数料の無料化に伴い、米国株や海外ETFを購入する際に、 具体的にどうなるのか?を紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?
結論から言えば、今までは、最低手数料の縛りから、まとめ買いが当たり前だった米国株や海外ETFを一株から買えるようになった事は大きいと思います。
特につみたてNISAをすでに始めている方で、海外ETFへの投資に興味のある方には朗報です。
ぼくも、つみたてNISAを始めているけど、海外ETFを始めてみようかな。
私も外貨預金をしているから、海外ETFや米国株への投資を考えてみたいわ。
ここ数年で、投資へのハードルはどんどん下がって来ていますね。
次は、どこの証券会社が先手を打つのか楽しみです。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。