皆さんは、ETFってご存知でしょうか?
ETF?名前は聞いたことあるけど…
英語だし、FXみたいなものかしら?
ETFは、上場された投資信託の事です!
ETFと聞いても、一般の方は、何?という方のほうが多いかもしれません。
ETFは、海外では主要な投資対象の一つとなっていますが、日本での認知度はまだまだ低いと思います。
米国でのETFの総資産残高は、412兆円。欧州でも90兆円と言われています。
欧米と比べると、日本のETFの総資産残高は、まだ37兆円程度です。
東京証券取引所に上場されているETFもまだ248銘柄にすぎません。(2020年7月時点)
私自身は、投資信託や株式投資を経験した上で、ETFと出会いました。
投資信託の分散性を備え、株式投資と同様に市場で取引されるETFは、今後日本でも広まっていくと思います。
中長期的な投資を目的にしていた私には一番適した投資法でした。
本記事では、そんなETF投資の特徴と魅力について紹介したいと思います。
ETF(上場投資信託)とは?
ETFとは、 「Exchange Traded Funds」の頭文字を取った略称で、一言で言えは、証券取引所に上場された投資信託の事を言います。
そもそも、投資信託って何なの?
投資信託とは?
投資信託とは、株式などの有価証券を単体ではなく、複数の銘柄を合わせて、パッケージ化したものを言います。
株式のパッケージ?
はい。例えばフルーツで言えば、リンゴやバナナ、イチゴやオレンジをそれぞれ単体で保有したものが株式。
それらのフルーツを一つに盛り合わせたものが投資信託です。
投資信託は、複数の株式を盛り合わせたものなのね。
はい。実際には、どのフルーツを使うか、どういった組み合わせで盛り合わせるかによって、様々な投資信託があります。
例えば、日経平均に連動した投資信託であれば、日経平均を構成する225社の株式を数%ずつ盛り合わせている事になります。
同様に米国のS&P500に連動した投資信託であれば、米国の優良企業500社で構成された投資信託です。
また、株式だけでなく、各国の債券やREIT(不動産)に投資するファンドもありますし、複数の資産の集合体であるバランスファンドなどもあります。
ETFと投資信託の違い。
じゃあ、投資信託とETFは、どう違うの?
最大の違いは、上場されているか、いないかです。
上場されていると、どうなるの?
上場されているという事は、市場で取引されているという事です。
市場で取引されているという事は、需要と供給のバランスにより、リアルタイムに価格が変動します。
例えば、先ほどのフルーツの盛り合わせを店舗で販売したとしましょう。
このフルーツの盛り合わせが、投資信託の場合は、一日中、同じ値段で取引されます。
でも実際には、消費期限の問題もありますし、お店で値段交渉をする事もあるでしょう。
閉店間際は、値段が下がったり、お店によってはまけてくれる場合もあるね。
ETFの場合は、市場で実際に取引されるため、リアルタイムに価格が変動します。
投資信託とETFの違いは、図にすると以下のようになります。
ETF | 投資信託 | |
基準価額 | リアルタイム | 一日一度 |
購入方法 | 市場取引 | 証券会社、銀行など |
指値取引 | 〇 | × |
また、株式と同じように指値で注文できる点も、ETFの特徴の一つです。
指値って?
この値段になったら買いたいとか、この値段であれば売りたいなどの価格設定を前もって予約する事を指値と言います。
ETFの場合は、買いたい価格や売りたい価格を予約設定できるのね。
はい。リアルタイムに、かつ指値で取引できるのが、ETFの最大の特徴です!
ETFのメリット
次に、ETFに投資する際のメリットについて考えてみましょう。
- 気軽に国際分散投資ができる。
- 指数に連動するため、情報を得やすい。
- 成行や指値など、自分が希望する価格での注文が可能。
- 比較的少額で、一口から注文できるETFもある。
- 分配金(配当益)を得る事ができる。
順に説明してみましょう。
ETFは、気軽に国際分散投資ができる。
ETFは、上場された投資信託と前述しました。
投資信託とは、いくつもの銘柄をパッケージ化したものです。
つまりETFを一口でも購入する事で、いくつもの銘柄を少額ずつ分散して保有している事になります。
また日本の株式に投資するETFだけでなく、先進国や新興国の株式や債券に投資するETFを保有する事で、国際的に分散投資する事も可能です。
どうして、国際的に分散したほうがいいの?
日経平均やTOPIXに連動したETFを所有するだけでも、日本国内の様々な企業に分散して投資している事になります。
ただし、世界的に見た場合は、日本という一国だけに集中投資しているとも言えます。
一国だけに投資していた場合は、その国の経済が何らかの理由により、急激なショックを受けた場合、多大な損失をこうむる事になりかねません。
そのため、一国だけに投資するよりも、世界中の国々に分散投資したほうが、リスクの軽減を期待する事ができます。
世界的に分散して投資した方が、リスクの軽減になるのね。
はい。また株式と債券など、値動きの異なる資産に分散する事も大切です。
ETFは、指数(インデックス)に連動するため、情報を得やすい。
指数って何?
正確には、投資指標、ベンチマーク、インデックスなどと言います。
指数には、複数銘柄の平均株価やある日を基準日として指数化したものなどがあります。
日本国内の代表的な株価指数としては、日経平均株価やTOPIXなどが有名ですね。
現在、国内で上場されているETFは、何らかの指数(ベンチマーク)と連動して設定されています。
株式の場合は、その企業の独自の理由により株価が変動していきますが、ETFの場合は、指数と連動しているので、情報を得やすく、かつダイレクトに株価に反映されます。
日経平均に連動したETFは、日経平均と同じ値動きをするのね。
はい。指数はリアルタイムに公開されていますので、個別銘柄と比べると、直接的に情報を得やすいというメリットがあります。
ETFは、指値注文が可能。
ETFは、株式などと同じように、証券取引所に上場されていますので、指値での注文が可能です。
投資信託は、指値での注文はできませんので、自分が希望する価格で売買ができるというのは、ETFの最大のメリットと言えるでしょう。
また証券会社によっては、当日だけでなく、一定の期間を指定して指値注文が可能な場合もあります。
成行注文は、例えばこちらが買いたい側であれば、現時点で売りに出ている最安値で購入する事になります。
指値注文は、買い注文の場合は、こちらが指定した価格まで、売り手が値段を下げてきた場合に購入する事ができます。(ただし、先着順です)
今すぐにでも買いたい場合は、成行注文、自分の買いたい値まで下がってから買いたい場合は、指値注文を出します。
ETFは、上場しているから、株式と同じように指値で注文ができるのね。
比較的少額で、一口から注文できるETFもある
ETFの価格は様々ですが、少額なものであれば、一口数百円から、高くても数万円程度で購入する事ができます。
私が購入する一番多い価格帯としては、一口1,000円~2,000円程度のものが多いですね。
株式の場合は、原則一単元100株での取引となりますが、ETFの場合は1口から10口での取引がメインですから、株式と比べると、少額での投資が可能となります。
ETFは、株式と比べれば、比較的少額から、取引ができるんだね。
ETFは、分配金(配当益)を得る事ができる。
ETFを権利確定日まで保有していると、株式の配当と同じように分配金が支払われます。
※ ETNや一部のETF(金や穀物など)のように、分配金を出さないファンドもあります。
分配金が出るという事は、メリットでもあり、デメリットでもあります。
これから、資産の形成を目的とする場合は、投資信託のインデックスファンドのように、分配金を出さずにファンド内で再投資してくれた方が複利的な効果を得やすいと言えます。
ただし、ある程度まとまった投資資金をお持ちの場合は、高配当なETFを買い足していき、分配金を得る事で、生活費の足しや生涯年金として活用していく事も可能です!
ETFの分配金で、自分で年金を作るか。
はい。分配時期の異なるETFを複数保有すれば、毎月何らかの配当を得る事も可能です。
分配金が振り込まれるのは、嬉しいわね!
【参考記事】ETFの分配金を活用した生涯年金の作り方については下記記事をご覧下さい。
ETFのデメリット
では、逆にETFのデメリットについても考えてみましょう。
- 売買手数料がかかる。
- 信託報酬がかかる
- 市場価格と基準価格の乖離(かいり)がある。
- 分配金の自動再投資ができない。
デメリットについても、順に説明してみます。
ETFは、売買手数料がかかる。
ETFは、証券取引所に上場されているため、株式と同じように売買の際に証券会社への取引手数料が発生します。
ただし、NISA口座(一般NISA)での取引は、どの証券会社でも無料となる事が多いようです。
また、SBI証券 や楽天証券などでは、一日定額のプランでは、一日50万円までの取引手数料が無料となります。
また、もともと売買手数料のかからない手数料無料のETFもあります。
SBI証券や楽天証券のそれぞれのメリットやデメリットは、下記記事をご覧下さい。
ETFを保有していると、信託報酬がかかる。
ETFも投資信託の一つと言えますので、ETFの保有期間中は、永続的に運営会社などに信託報酬(運営手数料)を支払う事になります。
信託報酬って、何なの?
信託報酬は、ETFを運営している運営会社と信託銀行に支払う運営手数料の事です。
一般的な投資信託の場合は、販売会社・運営会社・信託銀行の三社に対し、信託報酬の支払いが生じます。
それに対し、ETFの場合は売買手数料は取引時に支払っているため、信託報酬は運営会社と信託銀行の二社のみに支払う事になります。
ですので、投資信託と比べると、ETFのほうが、信託報酬は比較的安値となっています。
ETFは取引時に売買手数料を支払っているから、販売会社への信託報酬は支払わなくて良いのね。
そうですね。信託報酬は、ETFや投資信託の保有期間中に永続的にかかりますから、ETFのほうが、より長期投資に向いていると言えます。
ETFは、市場価格と基準価額の乖離(かいり)がある。
ETFは、上場されているため、実際の基準価額と市場価格での乖離が生じます。
基準価額?市場価格?
ETFや投資信託は、株式や債券などの集合体です。
ETFや投資信託の価格は、その日の取引終了後に、全ての保有資産を合算した上で価格が決定されます。これが基準価額です。
それに対し、ETFの場合は、証券取引所でリアルタイムに取引が行われるため、市場価格と実際の基準価額がまったく同じという事はなく、基準価額との乖離(かいり)が生じます。
一般的には、出来高(取引量)が多ければ、乖離は少なくなりますし、出来高の少ないETFほど乖離が大きくなる傾向にあります。
ETFには、基準価額と市場価格があるんだね。
ETFは、分配金の自動再投資ができない。
ETFのメリット(5)で説明したように、ETFは権利確定日まで保有すると、そのファンドに利益が出ている場合は、分配金の支払いが行われます。
これは非常にありがたい事なのですが、これから資産を形成していく場合は、分配金を出さずにファンド内で再投資してくれた方が、複利的な効果を得やすいと言えます。
また特定口座などの課税口座で分配金を受け取った場合は、所得税や住民税などが課税される事になります。
ちなみに私の場合は、投資信託の積立も同時に行っていますし、ETFの買い時を狙って、分配金で再投資をしています。
ETFの特徴とメリットやデメリットのまとめ
今回はETFの特徴やメリット、デメリットについて説明してみましたが、いかがでしたか?
投資がまったく初めてという方には難しかったかもしれませんね。
当サイトでは、ETF投資が初めての方にも、できるだけわかりやすくETFの魅力を伝えていけたらと思っています。
今後、「ETF投資のおすすめの証券会社」や「おすすめのETF銘柄」なども記事にしていく予定ですので、楽しみにしていてください。
次回は、「ETFの種類」 について、ご紹介します。
今回は最後までお読み頂きありがとうございました。