前回紹介した「ETFには、どんな種類があるの?」では、国別や資産ごとにETFの種類を紹介してみました。
ETFの種類は分かったけど、どの銘柄を選べば良いのか分からない。
ETFを選ぶ基準ってないの?
ETFの投資を始めてみたいけど、何を基準に銘柄を選んだらよいのか分からないという方も多いと思います。
株式投資の場合は、東証一部に上場されている銘柄だけでも2000銘柄以上、ジャスダックやマザーズも含めると約3600銘柄あると言われています。
投資信託の場合は、6000銘柄以上ですね(多すぎます)
それと比べると、国内で上場されているETFは、約250銘柄ですし、実際にはほとんど取引がされていない銘柄も多いので、基準を授ければ、非常に選びやすいと言えます。
ただし、ETF特有の注意点もありますので、今回は、私なりのETFを選ぶ際の基準について紹介します。
どこの国のどのベンチマーク(投資指数)に投資するか?
まず、どこの国のどのベンチマーク(インデックス)に投資するかを決めましょう。
現在、国内で上場されているETFは、全て何らかのベンチマーク(投資指標)に連動して組成されています。
言ってみれば、カテゴリー分けですね。
前回の「ETFには、どんな種類があるの?」では、国内で上場されているETFの大まかな種類について紹介しています。
読まれていない方は、参考の上、どのベンチマークに投資するかを決めてみて下さい。
ETFの銘柄を選ぶ基準
さて、どのベンチマークに投資するかを決めたら、その投資指数に連動したETFの中から、基準を授け、振るいにかけていきます。
私がETFに投資する際の基準は、大体以下の通りです。
- 出来高の多いETFを選ぶ 。
- マーケットメイカーの影響の少ないETFを選ぶ。
- 分配金の利回りをチェックする。
- 信託報酬の低いETFを選ぶ。
- 自分が買いやすい価格帯や口数のETFを選ぶ。
- 長期的に見て、上昇しているETFを選ぶ。
- 総資産が増大しているETFを選ぶ。
順に説明していきましょう。
出来高の多いETFを選ぶ 。
ETFの銘柄を選ぶ際に、私がまずチェックするのは出来高です。
出来高とは、一日の取引量の事です。取引量が多いという事は、そのETFにそれだけ需要があるという事です。
需要の無い物を持っていても、誰も欲しがりませんし、売りたくても売れませんよね。
ETFの場合も全く同じで、出来高の少ないETFを保有していても、一日中まったく取引が無い時もあります。
自分が売ろうと思っても、欲しがる人がいない訳ですから、当然自分の望む売り値もつきません。
各ETFの出来高を調べるには、 SBI証券 のサイトが便利です。
【国内株式】→【ETF・ETN】→投資したい【カテゴリを選ぶ】(例:先進国など)→一覧が表示されたら、【出来高】をクリック!
各ETFの出来高の多い順に表示されます。
以下に紹介する【分配利回り】や【信託報酬】なども、簡単に検索できます。
ETFを購入する際は、まず出来高をチェックしましょう!
出来高の低いETFは、保有する意味がありません!
どの程度の出来高のETFを選べば良いのか?
では、どれくらいの出来高があれば良いのかというと、最低基準として、一日に4桁の出来高は必要だと思います。
できれば、5桁は欲しいのが実情ですね。多ければ多いほど良いです。
つまり一日に数千件から数万件の取引があるという事ですね。
これが二桁や一桁の出来高しかないETFの場合は、将来的に繰上償還される可能性も高いですし、何より売買が成り立ちません。
ETFを購入する際は、必ず4桁以上の出来高が常時あるETFを選ぶようにしましょう。
マーケットメイカーの影響の少ないETFを選ぶ。
これは、(1)の出来高とも関係がある項目なのですが、2018年の7月より東証では、ETFの普及や取引量の増大を目的にマーケットメイク制度を導入しました。
マーケットメイク制度とは、東証などが報奨金を出す事を条件に、マーケットメイカー(機関投資家や運用会社など)に指定された銘柄の取引に積極的に参加してもらい、その結果として ETF全体の出来高、流通量を高めようとする制度です。
マーケットメイク制度の対象銘柄は、こちらにてご確認ください。
マーケットメイク制度の注意点
実際に、マーケットメイク制度の導入後、常時出来高の増えた銘柄もありますが、マーケットメイカーも全く利益が出ない取引には参入してこないため、結果としては元々出来高の少ないETFの場合は、日によって出来高が極端に多くなったり少なくなったりします。
そういう銘柄を保有しても、マーケットメイカーの参入してこない日は、取引がまったく無い事もあります。
日によって、出来高が極端に変わるETFは、マーケットメイカーの影響が強いETFの可能性が高いです。購入しないほうが無難と言えるでしょう。
分配金の利回りをチェックする。
この項目に関しては、キャピタルゲイン(売却益)を目的にする方は、無視して頂いて構いません。
私のように、ある程度はインカムゲイン(配当益)を目的にする方は必須ですね。
分配金というのは、ある意味では利益が確定するという事でもありますし、インカム目的でETFを保有している方は、株価が下落した際も保有し続ける傾向にはあります。
結果としては、保有し続ける人が多いという事で、若干ですが、急落時の下落幅が少ないとも言われています。
信託報酬の安いETFを選ぶ。
ETFも投資信託と同じように、保有し続ける限り、信託報酬(運営手数料)が毎日の基準価額から(信託報酬分を年間で割った金額)が引かれています。
投資にかかるコストは、当然ですが安いほうが良いですよね。
同じベンチマークであれば、信託報酬の安い銘柄のほうを選択しましょう。
ただし、上記の(1)出来高がもっとも重要な項目になります。信託報酬の差が小さく、出来高の差が大きい場合は、出来高の多いほうを選んだ方が良いでしょう。
自分が買いやすい価格帯や口数のETFを選ぶ。
ETFの価格帯は、一口100円程度から一口5万円程度まで様々です。
また購入の際、一口から取引のできる銘柄もあれば、一単元10口とか100口単位での取引しかできないETFもあります。
単元とは、ETFを売買する際の単位の事です。例えば一単元10口の銘柄であれば、10口単位での売買が通常のルールとなります。
※ SBI証券など、単元未満での購入を認めている証券会社もありますが、別途、手数料がかかります。
ちなみに私の場合は、一口2,000円程度で、一口から購入できるETFが一番利用しやすいですね。(iシェアーズシリーズなど)
次いで、一口1,000円程度で一単元10口のETFもよく購入しています。大体一取引が1万円程度という事になります。(NEXT FANDSシリーズなど)
一口数百円程度でも、一単元が100口の場合は、一取引で数万円かかりますし、逆に一口から取引できるETFでも、一口が数万円のものは下落して買い足す時も、それなりに覚悟が要ります。
初心者のうちは、気軽に取引できる価格帯を選んで投資しましょう!
長期的に見て、上昇しているETFを選ぶ。
ETFの価格は、取引所が開いている時間帯はリアルタイムに変動します。また日々上がったり下がったりを繰り返していきます。
それでもETFは、各ベンチマークごとに分散投資されていますから、株式の個別銘柄と比べれば、値動きが緩やかだと言えます。
つまりETFは、銘柄にもよりますが、短期トレードよりも中長期的な投資に向いていると言えるでしょう。
その際に重要な事は、短期的な値動きではなく、長期的に上昇していける銘柄かどうかだと思います。
購入の前には、必ずチャートを1年、3年、5年、10年と長期的に見て、投資するか判断しましょう。
※ 組成されて間もないETFは、長期的なチャートを見る事ができませんから、その場合は同じベンチマークの他のETFのチャートを検索して確認しましょう!
総資産が増大しているETFを選ぶ。
この項目も(1)出来高と関連してきますが、出来高が多い、需要の多いETFの場合は、より多くのETFを発行する事で、 運用会社も信託報酬による利益を得る事ができます。
ですから、出来高の多いETFは、運用会社もそのETFに含まれる株式などを買付、より多くのETFを発行しようとします。
結果としては、そのETFの資産総額も増えていきます。
逆に言えば、出来高(流通量)の少ないETFの場合は、発行しても需要がありませんから、運用会社も新たにETFを発行しようとしません。
結果としては、繰上償還されて、上場廃止となる可能性もあります。
そのETFを購入するかどうかの最終判断では、そのETFの資産総額が増えているか目論見書などで確認しましょう。
ETFの銘柄の選び方。まとめ
今回は、ETFの銘柄の選び方について紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?
実際には、更に細かく基準を授けて選抜すると思いますが、あまり神経質になっても仕方ありませんので、今回は7つの基準に絞って紹介しました。
国内で上場されているETFは、約250銘柄ありますが、今回紹介した選び方を基準に選抜していくと、投資すべき対象はぐんと絞られると思います。
投資すべき銘柄を選んだ上で、次は買い時を探る段階があります。
ETFの買い時や買う際の注意点なども、今後紹介していきたいと思っています。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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